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今年3月末に行われた、年齢・性別・国籍不問の大型オーディション「TOKYO BIG UP!」LIVEオーディションの模様をご紹介する。

text_Michi Sugawara / photo_Misaki Ichimura
盛況となった「TOKYO BIG UP!」LIVEオーディション

3月29日、渋谷Milkywayにて、年齢・性別・国籍不問の大型オーディション「TOKYO BIG UP!」の最終審査となるLIVEオーディションが開催された。

「TOKYO BIG UP!」は、メジャーレーベル「avex」、音楽制作プロダクション「DUM DUM LLP」、コンサートプロモーター「HOT STUFF」、メディアレーベル「lute」、インディーレーベル/ディストリビューター「ULTRA-VYBE」が業界の垣根を越えて合同開催することとなった大型オーディション。晴れてグランプリを受賞したアーティストは、特典としてULTRA-VYBEからのCDリリースと、メディアレーベルluteでのMV制作が確約されるなど、その後の活動もしっかりと支援される。

第1回TOKYO BIG UP!

ライブ審査には、投票による一般審査に加え、特別審査員として中尾憲太郎(ex.ナンバーガール、Crypt City)、松田“CHABE”岳二(LEARNERS、CUBISMO GRAFICO)、MC.sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド)といった面々も参加するという豪華なオーディション企画となっている。

豪華な審査員3人が揃い踏み。

今回、最終審査にまで残ったアーティストは以下の通り。東郷清丸、ecke、大石晴子、バレーボウイズ、SUPER SHANGHAI BAND、合田口洸、シーツ。夢の栄冠を目指して、この7組がステージで全力をぶつけることとなった。バンドもいればラッパーもおり、それぞれの音楽性を一括りには出来ないが、いずれも大勢の応募者の中から選ばれた精鋭たちだ。なお、「TOKYO BIG UP!」の公式ページでは、全アーティストの楽曲も試聴できるようになっている。

それでは、そんな「TOKYO BIG UP!」のLIVEオーディションの様子をご紹介しよう。

司会を担当したブライアン・バートンルイスとchelmicoが会場を盛り上げる。
アクトの合間には、DJ HOLIDAYのプレイも。

会場となる渋谷Milkywayは、合同主催となる各社関係者に限らず、大小問わないレコード会社社員といった多くの音楽業界関係者、そしてもちろん一般のお客さんたちも駆けつけ、開場早々にオーディションイベントとは思えぬほど人が溢れていた。開演を待つ間、フロアでは、DJ HOLIDAY(a.k.a. 今里 from STRUGGLE FOR PRIDE)がゲストDJとしてプレイ。観客たちのテンションを盛り上げていく。

普通のライブとはまた違った緊張感が包む中、ステージ上に登場したのは、「TOKYO BIG UP!」の司会を担当するブライアン・バートンルイスと女性二人組ラップユニット・chelmico。さまざまなメディアにてマルチに活躍中のブライアンの軽妙な喋りとchelmicoのゆる〜い合いの手が、会場の空気を少し弛緩させる。

東郷清丸

第1回TOKYO BIG UP!審査員特別賞:東郷清丸「ロードムービー」

東郷清丸

トップバッターは東郷清丸。横浜出身のシンガーソングライターで、今回はバンドセットでの参加となった。抑制的なリズムと広がりのある歪んだギターの音色を背景に、清丸のアンニュイな歌声が響き渡る。客席には、自然と気持ちの良い横揺れが生まれていく。

「保育園児の頃から歌が好きで、いつの間にか音楽を始めていた」という清丸。審査員のチャーベ氏は、「使ってるギターの音が最高でした!」と太鼓判を押す。sirafu氏も「普遍的な感じとちょっと変な感じが共存していた」と、清丸独自の世界観を評価する。中尾氏はギターのフレーズを評価しつつ、「歌よりも、ギターのほうが真摯な感じがしてた、そのバランスが取れたらめちゃくちゃかっこよくなると思う」とアドバイス。さらに、「ドラッグ感があって良かった!」と中尾氏流の褒め言葉も送られていた。

ecke

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次に登場したのは、東京都を中心に活動する4人組バンドのecke。2015年には、レーベル「術ノ穴」のコンピレーションアルバム『Hello!!! vol.8』にも参加経験がある実力派だ。ファズの効いたギターに、端正なリズム隊、女性ボーカルはけだるげにしっとりと歌い上げていく。chelmicoのバンド紹介によれば、“ヒップホップやR&B、ブラック・ミュージックの影響を感じさせる”音楽性だ。

チャーベ氏は、「いわゆる王道シティ・ポップと今のニュー・ソウルみたいなのを混ぜようとしてるんだろうな。僕、二曲目がすごい好きでした」と、分析をする。中尾氏はドラムのハイハットや6弦ベースについて、バンドのメンバーに質問。音色についての情報を交換するようなやり取りが展開される場面も。「影響を受けた音楽は?」という質問には「ヒップホップです」と即答するなど、インタビューからはeckeの幅広い音楽のバックグラウンドが垣間見えた。

バレーボウイズ

第1回TOKYO BIG UP!グランプリ:バレーボウイズ「卒業」

バレーボウイズ

続けては、「懐かしさを大事にしているバンド」と謳うバレーボウイズの出番となる。演奏前には、メンバーが「どなたかカポを貸してくれませんか!?」と会場に呼びかけるなど、ドタバタ劇がありながらも始まったアクト(紛失していたカポは見つかったよう)。7人組の大人数編成で、エレアコやZO-3ギターを採用しているほか、セミの声のSEや自転車のベルを鳴らしたりと、ビジュアルも音も多様性に溢れている。男女ボーカルも心地よい。演奏中には沖縄の踊り方「カチャーシー」のような踊りを踊るなど、舞台映えのするバンドでもある。客席からは大きな歓声も上がっていた。

ブライアンも「いいライブだった」と評するアクトについて、チャーベ氏は「ツッコミどころ多すぎるんですけど、もうどっかから7inch(シングル)出てて、僕持ってそうだなって(笑)。今後も楽しみです」と絶賛。中尾氏からは「どの大人の言うことも聞かないでください!」と、我が道を行くことを推奨され、sirafu氏も「サイコパス感があった(笑)」と、一同の心をグッと掴んだバレーボウイズ。女性ボーカルの野望が「元気な赤ちゃんを産むこと」ということからも、バレーボウイズの特異性がわかるだろう。

大石晴子

大石晴子

会場のボルテージが上がる中で、登場したのは大石晴子。シンガーソングライターとして活動をしながら、今年3月からは現在のバンドメンバーと共に活動をしているという。ジャジーな伴奏に載せて、ときにパワフルに、ときに切なげに大石は響き渡るよう、沁み入るように歌を歌う。演奏の合間には、客席に向かって、風邪をひかないように呼びかけるMCからも大石自身の人柄が伝わってくる。

中尾氏は「あざとさを感じなくて、雰囲気のあるいい声だなって。ただ、自分が思っている歌声のピークの10センチ先を目指してほしい」とアドバイス。「これからどんどん上手くなるし、いい曲を書こうと思って勉強したら、(良い曲が)書けるようになる手前の、奇跡的な瞬間に立ち会ってる気がする」とはsirafu氏の言。審査員一同からは、これからさまざまな経験をして、音楽に反映させてほしいと、その将来性に期待を見出すコメントが続出した。

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