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あっこゴリラ×太田信吾:ゴリラとの出会いから見えた、ビートの本質(後編)

2016年11月30日にリリースされたEP『Back to the Jungle』。この表題曲のMVの撮影のため「ゴリラに会いたい」というほとばしるアツい想いとともに、日本を飛び出てルワンダへとたどり着いた、あっこゴリラ。MVを撮影したのは映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』の監督であり、劇団チェルフィッチュで俳優としても活躍する太田信吾。2人きりのアフリカロケを乗り切ったあっこゴリラ曰く、「人生で最高にブチ食らった」という生々しい旅のエピソードを振り返る対談、後編をお届けする。

text_小田部仁 photo_山口雄太郎

前編はこちら

まさかの相部屋と、薬漬けで朦朧とした撮影、夢見た子どもたちとの交流

——二人の間では何かトラブルはなかったんですか?

太田 あっこさんは僕と部屋が相部屋だったのが嫌だったと思います……。あと、撮影のために「あれやってくれ、これやってくれ」っていうのをストレスに感じてたんじゃないでしょうか。どうですか?

あっこ っていうか、太田さん、そんなこと全然思ってないでしょ(笑)。太田さんは頭が完全にイッてるんですよ。どんなことがあっても状況を死ぬほど楽しんでニヤニヤしてる。「どんなときでもカメラ回す」ってよく聞く言葉だし、口で言うのは簡単なんだけど、普通の人間はヤバい局面ではそんなことできないんですよ。でも笑いながら撮る。それが、本当に怖かった…。

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太田 人、殺しそうだなって言うのはたまに言われますけど、僕、温厚な人間なんですよ…。

あっこ いや、マジでいい人なんだけど、ただ…すげえモノホン。モノホン・プレイヤーなんだよね。ちなみに部屋に関しては一緒だったけど、そんなもん全然大変じゃなかった。テロ危険区域に間違えて入っちゃったりして、そっちの方が大変だったね…。

太田 あと、ロキソニンを4〜5錠、一気に飲んだら酩酊しちゃって大変なことになったりとか。

あっこ ちょうど生理にブチ当たって、ゴリラの日にロキソニンを飲みすぎちゃって、バイクタクシーの後部座席で気絶しそうになった。撮影は絶対にブチかまさなきゃいけないって言う気負いもあったからなんだけど、眠気と薬と痛みで訳のわからない状態になってました。

あっこゴリラ「Back to the Jungle」MV制作ドキュメンタリー:街編

太田 意識が朦朧としていて、反応がない時もあったんで…。「これは寝ないとどうにもならないね」ってあっこさんに言って、ホテルのソファーで寝てもらって。でも、その後も夜の街に繰り出したんですよね。

——MVはあっこさんが学校で子供たちに授業をしているところからスタートします。これはどう言う経緯で学校に行くことになったんでしょうか?

太田 映画祭で知り合った現地の監督に「子供たちと音楽で交流したい」とプロジェクトの概要を話して、学校に行く流れを手配してもらったんです。学校ではあっこさんが先生になって音楽の授業を1時間やらせてもらいました。

あっこゴリラ「Back to the Jungle」MV制作ドキュメンタリー:学校編

あっこ 子供たちと音楽を作るって言うのは実は私の昔からの夢で。アフリカってやっぱりリズムの国なんだなって思いましたね。私が「Can you play drums?」って聞いたら、日本だったら黙っちゃうと思うんだけど、全員が「イェ〜〜ス!」って手を上げてくれて。「Let’s play!」って自由に叩かせたら、もう超ヴァイヴスマックス。私がビートを叩いても、みんな瞬時に合わせることができるんですよ。

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